プロチュバランス(こぶ)付きホブは、後工程(シェービングやグラインディング)工具の干渉を避けるために、歯車の歯元にアンダーカットをつけるように設計されたホブです。このホブによる創成図をQCADで描いてみます。
続きを読む不思議遊星歯車の転位設計(2)
前回の「不思議遊星歯車の転位設計(1)」では、特定の歯数と既知の中心距離の組み合わせに適用する転位係数の計算法を紹介しました。その後、いろいろ文献を調査した結果、以下の資料に記載された方法が妥当と判断し、その考え方にしたがって歯数設計と転位設計を行うプログラムを開発したので、その内容を紹介します。
「不思議遊星歯車機構減速機の最高効率に関する研究」堀他、日本機械学会論文集C編 60 (579), 3940-3947, 1994
不思議遊星歯車とその速度比の算出法(2)
先回の「不思議遊星歯車」はピニオンとサンギヤ1セットに歯数違いのリングギヤが2個から成っています。この形、つまり1つの歯車に2つの歯数違いの歯車を同じ中心距離で組み合わせた機構には「mechanical paradox」という名前が付きます。
それによく似ているのですが、2個のリングギヤにそれぞれ異なる歯数のピニオンを組み合わせるタイプもあります(図1右)。こっちも大減速比を得られるのですが、「不思議遊星歯車」ではなく、「3K型複合遊星歯車」と言うようです。(3Kとは遊星歯車の分類方法の一つで、他に2K-H等あり)。だからタイトルは正しくないかもしれませんが、同じカテゴリーなので、このままいきます。
今回はその機構の紹介です。
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