歯車の形に興味のある人に

Fusion360のスケッチ線・プロファイルSVG出力アドイン

Fusion360のスケッチ線SVG出力にトライ」のその後です。

スケッチ線以外にも、寸法線、スケッチプロファイルのSVG出力にも対応しようとしているのですが、寸法線は難しくて再現度はかなり低いです。それ以外のスケッチ線とプロファイルは実用レベルにはなってきました。そこで、「SVGutil」という名前でアドイン化したので、(公開前ですが)紹介しようと思います。

「SVGutil」アドイン

アイコンメニュー

アドインを実行すると、Fusion360ツールバーに「SVGutil」タブがあらわれます。タブをクリックすると、次の4つのアイコンが載ったパネルが表示されます。アイコンは、左から「プロファイル出力」、「スケッチ線出力」、「寸法線出力」、「CSV出力」となっています。

図1.メニューアイコンとダイアログ

ダイアログ画面

❶~❹のアイコンをクリックすると、その下のにある同じ番号のコマンドダイアログが表示されます。

❶「プロファイル」は、さらに2個のタブ「SVG作成」「投影図作成」があります。「投影図作成」は、SVG出力の前処理として、ボディを3面に投影した際の外形輪郭線を取り出します。

❷「スケッチ線出力」にも3個のタブ「カーブ」「スケッチ」「ボディ」があります。「カーブ」は、SVG出力したい曲線をマウスで個々に選択します。「スケッチ」は、ブラウザでスケッチを選択すると、そこに含まれるスケッチ線をすべてSVG出力します。「ボディ」は、選択したボディに含まれるエッジをSVG出力します。

❸「寸法線出力」の方は、引き出し線、寸法線、寸法をSVGで出力します。とはいっても、引き出し線や寸法線の位置情報がどこにあるか、APIを探しても見つかりませんでした。それで自力で作成しているので、現状はおまけ程度です。

❹「CSV出力」は、プロファイルの点列x,y座標をカンマ区切りで出力するものです。SVGとは関係ないのですが、同様の処理なので入れました。

想定用途

このアドインは、次のようなことを想定しています。

  • Fusion360で作るアドインやモデルの、PowerPointでの説明書作成用
  • Fusion360をお絵かきソフトのように使って、PowerPointで加工、プレゼン資料作成用
  • DXFファイルをPowerPointで利用するためのコンバータ(DXF→Fusion360→SVGutil→PowerPoint)
  • Fusion360でポリライン(折線)からフィット点スプラインへのコンバータ

他にも、Fusion360での寸法が、PowerPointでも維持されているので、何かの役に立つかもしれません。

結果

プロファイル出力

下図は、Fusion360で自作の歯車作成アドイン「igears」で作成した遊星歯車への適用例です。いったん平面に3D形状を投影してプロファイルを作成してから、「SVGutil」アドインでSVGファイルを生成し、PowerPointで開いて分解したものです。

図2.遊星歯車のSVG作成

この例では、隣接歯車の歯面と接触しないようにバックラッシを与えて、独立した歯車を取り出せるようにしています。歯同士がくっついていると、Fusion360の「プロファイル」にならないためです。

また。見てお判りの通り、今の時点で中空部品が作れません。アウターのプロファイルとインナーのプロファイルがあると、現状ではそれぞれアウター部品として作成します。SVGとしては中空も書けるようなので、いずれ織り込みたいと思います。

今後の予定

プロファイル以外では、スケッチ線出力とCSV出力はほぼ完成しています。それで今後の予定ですが、もう少し自分で使いこんで満足いくようになったら公開しようかと思っています。ニーズがあるかどうかわかりませんが。