歯車の形に興味のある人に

FreeCAD用遊星歯車作成スクリプト

無料の3D-CADであるFreeCADには、「freecad.gears workbench」という歯車作成アドオンワークベンチがあります。

これを使って、遊星歯車を作成するスクリプトを開発したので紹介します。
下図は「遊星歯車条件が成立する歯数の算出方法(2) - 歯車のハナシ」で求めた歯数セットで、ピニオン数3~9個を順にモデル化したものです。

図1.遊星歯車セット



実行手順

必要なアドオンをインストール

下図に示すfreecad.gears workbenchを、アドオンマネージャからインストールしておいてください。

図2. gears workbentch

遊星歯車スクリプトを入手

まだ開発中のため、ご依頼のあった方にのみ提供したいと思います(無料)。諸元入力パネルはないので、pythonスクリプトを書き換えて実行できることが前提です。
ご希望の方は右の問い合わせフォームで「FreeCAD遊星歯車スクリプト希望」と記入の上、送信してください。また「使用する分野または対象部品」、業務用の場合は「会社名」をお願いいたします。バージョンアップ連絡を希望するときは、「バージョンアップ連絡希望」とお書きください。

遊星歯車スクリプトをインストール

メニュー「マクロ」-「マクロ...」-「作成」クリックで、ファイル名を聞かれるので入力します。
エディターのページが追加されるので、受け取ったスクリプトをコピーして貼り付けます。
実行ボタンをクリックして、モデルが作図されたらOKです。

遊星歯車諸元の設定

スクリプト中の以下の変数を修正してください。

    configurations = [
    ( 48, 18, 15, 3),
    ( 47, 17, 15, 4),
    ]
    module = 2
    beta = 20
    height = 30
    backlash = 0.1
configurations (リングギヤ歯数、サンギヤ歯数、ピニオン歯数、ピニオン個数)を1セットとして、複数の歯数セットを入力できます。行末のカンマをお忘れなく
module 歯の大きさを指定します
beta ねじれ角を度数単位で指定します。軸直角方式のようなので、使えないかもしれません
height 歯幅を指定します
backlash バックラッシを指定します

計算結果

次の2仕様を計算したとき
( 48, 18, 15, 3),
( 47, 17, 15, 4),
コンボビューの表示は次のように、各ギヤセット毎にグループ化されます。それを展開すると、構成部品が表示されます。

図3.結果の表示

3Dモデルは、ギヤセットが追加されるたびに、z方向プラス側にオフセットして配置します。オフセット量は「歯幅×3」としています。
サンギヤとリングギヤの中心軸はxy平面の原点を通ります。

ご注意事項

回転アニメーション機能はありません。
assembly4等は使用していません。
歯元隅肉曲線はラック工具の創成形状によるものではなく、アンダーカットも再現できません。
FreeCADのフリーズや異常終了に備えて、重要なデータは閉じてから使用してください。

以上です。