歯車の形に興味のある人に

不等配遊星歯車のモデル化(修正あり)

この記事ではモーションスタディというFusion360特有の機能を使っていますが、汎用性が不十分だと思いますので、別記事「不等配遊星歯車のモデル化(オーソドックスな方法)」をアップしました。遊星歯車の位置決めと位相合わせにモーションスタディを使わない方法です。

(2023.09.09追記)

 

タミヤ遊星ギヤセット買ってみました(1)」で、付属する遊星歯車2種類のうち1種類が、不等配であることを書きました。

 

等配遊星歯車ならば、筆者が開発・配布している歯車設計ソフト「involuteGearDesign」やFusion360用歯車作成アドイン「igears2」で簡単に3Dモデル化できますが、不等配には対応していません。

 

そこで本記事では、不等配遊星歯車をFusion360で作成する方法を説明します。

一から作るのは面倒なので、igears2でピニオン1個のモデルを作ってモーションスタディまで完成させておきます。手順はpdf動画を参考にしてください。

 

入力諸元

igears2への入力諸元は

  • リングギヤ歯数48
  • サンギヤ歯数16
  • ピニオン歯数16
  • ピニオン個数1
  • モジュール0.5
  • 圧力角23°
  • 法線バックラッシ0.1

とし、「キャリア追加」「ジョイント追加」にチェックを入れて「OK」クリックするとピニオン1個のモデルが作成されます。

2個目以降のピニオンは、自力で自転と公転角度を計算して配置してもよいのですが、この記事ではモーションリンクとモーションスタディを使う方法を紹介します。

モーションリンク

アドインで追加したジョイントを使ってモーションリンクを次の手順で作成します。

  1. 「モーションリンク」をクリックして、ブラウザーウインドウの「ジョイント」から、「サン」、「ピニオン」の順にクリックします。
  2. ピニオンの回転角度欄に「360*-16/16」を入れるか、回転の反転にチェックを入れると歯車がかみ合うので「OK」クリックします。
  3. 次に「モーションリンク」をクリックして、ブラウザーウインドウの「ジョイント」から、「サン」、「リング」の順にクリックします。
  4. リングの回転角度欄に「360*-16/48」を入れると歯車がかみ合うので「OK」クリックします。

 

モーションスタディ

モーションスタディを次のように設定します。

  1. 「モーションスタディ」をクリックして、ブラウザの「ジョイント」から「サンギヤ」をクリックします。
  2. モーションスタディウィンドウの100%位置でサンギヤの線をクリックして、不等配置角度である112.5°を入力します。
  3. スライドバーで横軸100%位置、つまり角度112.5°位置にピニオンを移動させます。
  4. その位置でピニオンを「コピー」します。
  5. モーションスタディでスライドバーを0%に戻し、ピニオンを0°位置に配置します。

 

不等配ピニオンの作成

2番目、3番目のピニオンを次のようにして作成します。

  1. 「コピーを貼り付け」でピニオンを貼り付けます。112.5°位置でコピーしたものなので同位置に張り付けられます。これが2番目ピニオンになります。
  2. 「作成」「ミラー」で「オブジェクト」に2番目ピニオンを選択し、「対称面」にYZ面を選択して「OK」クリックします。これが3番目ピニオンです。

 

完成モデル

以上の手順で完成したモデルを下図に示します。